私は「100年前の感動を100年後に伝える」ために生きている。
私の感動とは「着心地」や「運動量」だといっても過言ではない。
感動には形がない。
私は、目に映るものではなく、目に映らないものに心を揺さぶられる。
着心地や運動量も目には見えない。
身体で感じるしかないのだ。
すなわち、私の感動を深く伝えるためには視覚ではなく「触覚」へのアプローチが必要不可欠であると考えている。
触覚に着目したのは、子育てがきっかけだった。
私の長男は感覚が過敏だ。
触覚が繊細な長男は、肌に触れるものに敏感に反応する。
ドロドロやネバネバは大の苦手だ。
真夏でも長袖長ズボンが落ち着くスタイルらしい。
長男が生きる世界感を少しでも理解したい気持ちから、発達に関するセミナーに参加し、本を読んだ。療育にも通った。
その中で、触覚の重要性を知った。
そして同時に、半・分解展とは「触覚の具現化」であり、「触覚のデザイン」であることに気付いた。
私が感動と捉える着心地や運動量とは、触覚のことであり「気持ちの良い触覚」を具現化することが、私のやるべきことであった。
では、気持ちが良い触覚とはなんだろうか。
私は、衣服の構造から「身体の基点と衣服の基点の関係性」に着目する。
現代における「気持ちの良い着心地」とは、「基点からの解放」ではないかと私は考える。
身体の基点と衣服の基点が離れることを、着心地が良いと感じるのではないか。
しかし、私が想う気持ちの良い着心地は、真逆の構造となる。
身体の基点と衣服の基点が近いことで生まれる着心地が、私にとって感動となる。
この感動を半・分解展で伝えたい。
これまでにない、新たな感覚で表現したい。
貴方の触覚を呼び起こし、今までに体感したことのない着心地を魅せるために。
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