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君は、その技術を捨てられるか

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文化服装学院での特別講義が無事に終わりました。
オートクチュール科とアパレル技術科の生徒の皆さん、ありがとうございました。

今回私は、新たな課題を持って講義に挑みました。
それは半・分解展の「概念」を伝えることです。

講義風景:試着する生徒


これまで私が行うプレゼンは「技術」にフォーカスすることがほとんどでした。
対象となる衣服の歴史や文化を踏まえたうえで、構造や着心地がどうなっているのか?というような内容です。
半・分解展がまさにそれですね。

今回の受講者は、技術に特化した人たちです。
そこで敢えて「技術を捨てて、技術を伝える」という手法をとりました。


そうしたのには明確な理由があります。

私は「技術職・専門職ほど、抽象的に表現する力が必要」だと確信しているからです。
ごく簡単にいえば最初の1歩目は、自分の生み出したものを言語化する力です。

それを深めれば、自分のつくる洋服を洋服としてではなく表現ができ、その表現はあらゆる場所にあなたの洋服を連れていくことができます。

生み出すことに長けている技術職の私たちだからこそ、己の技術をさまざまな形に変化させ、伝える術を身に付けるべきなのです。


ということで、ここからは講義に参加した皆さんの感想を幾つか紹介します。

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何年代の服でこのためについているなどの説明がわかりやすかったです。
私は冒頭でお話ししていた、自分の感性や個性を発揮できる土俵を選ぶというのが凄く心打たれました
そういう場所を見つけ、自分自身飛躍していけるように頑張ろうと思いました。ありがとうございます。

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理論的なことこそ技術職には必要だとおもっていましたが、その逆だったのはびっくりしました
確かに抽象的なものからの方が発想が沢山出ると実感しました!
服の歴史を追うのもすごく楽しかったです。
もっと服について物知りになりたい気持ちを得られました!

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授業最初の話しから惹き込まれました。
古い服を着られる体験も面白いですが、良いと思ったことを自分の言葉で表現する、技術とは違ったアプローチの仕方で服と対話する思ってもみなかった講義内容でした
大変面白かったです!

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単純なのか難しいのかよくわからないけど、難しかったです。
考え方はすごく理解もできたし、自分自身の考えをもっと明確に持つべきだと思いました。
服の講義を聞いて、自分も服の構造についてもっと勉強したら楽しそうだなと思いました。
就職して2.3年経ってから、今より成長して考え方も変わり知識も得た状態で、またお話聞きたいなと思いました



3年間学んできた事を覆された感覚です
3年間パターンを学んで来なければ今日の話は理解できなかったと思いますが、様々な角度で服を見ることの大切さを感じました。
今までにない講義でとても楽しかったので、次回展示会をやる時には足を運びたいなと思います。

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今日の長谷川先生の話を聞き補正を逆手に取るというか、逆の視点から見ると、あえてその補正前の状態を作ることにより新しいシルエットが出来るのでは無いかと思いました。
今まで足し算、引き算のパターンは学びましたが、今日は計算式を習った感じです
もっと多くの話が聞きたいと思いました。
ありがとうございました。
いつか、ご一緒になにか物作りができるよう精進致します

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服を見る視点がいつもと違くするということをやって、一度今まで習ってきた技術の視点をなくしてみると、新しいものが見えると感じました
別の角度でものを見てみるということは大切だなと思いました。
そして、自分のやりたいことを明確にし、言語化してみようと思います。
とても楽しい授業でした。

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お話がとっても面白かったです。
最初に言葉の持つ重要な意味を説明してくださったので、すごくその後の話がすんなりと耳に入ってきました。
技術職は言葉を味方につけるとその価値が何倍にもなるというお話を聞いてなるほどな、と思いました。
100-200年も前の服は美術館の無機質なガラスを通して見る機会はあっても実際に着る機会はないので、すごく貴重な体験になりました。
実際に着ることにより気になることがどんどんと出てきてもっとパターンについて知りたくなりました。
ブログも見せていただいて勉強します!今日はありがとうございました!


感想は以上です!

本当にたくさんの想いを書いてくれてありがとうございました。
74件、全て読ませていただきました。 

特別講義、私が1番楽しんだと思います。
一見、難しそうな紳士服ですが、これほどまでに奥が深い洋服はありません。だから私は100年後にも伝えるのです。

文化服装学院の生徒に幸あれ。



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