Bontaの注文靴が納品されました。
東京には、魅力的な靴屋さんがたくさんあります。
例えば、私は LECOTT(レコット)やLe Scalpe Di Cabiria(カビリアの靴)が興味深いです。
ところが、私は わざわざ大阪にあるBontaにオーダーをしました。
一体何故でしょう。 自分でも不思議に感じます。
Bontaが特別な有名店かと云ったら、そうではないと思います。
私が仕事で関西出張が多いのかと云われたら、それもまた違います。
では、何故。? Bonta なのか。
答えは単純で、Bontaは、私の学生時代からの「憧れ」だったからです。
学生の本文は、自分の「好き」を夢中で見つけ出し、押さえきれない情熱を持って、飛び込んでいくことだと思います。
そうした中で、実現出来なかったコトが「憧れ」と云う形で、胸に刻まれると思います。
そういった意味でBontaは、間違いなく憧れでした。
当時、飛び込むことは叶いませんでしたが、いつか必ず。 と、学生ながらに思っていました。 見返しみると4年前の投稿にも書いていました。
(ちなみに、その時飛び込んだのはコチラです。 服を愛することを教えて頂きました。)
この4月から、社会人5年目となり、学生の時に見つけ出した「好き」や「憧れ」は本当に かけがえのないもの だと思います。
パッションだけで生きて、純粋な目で見ていたそれらは、社会人になってから見つけ出すのは、少し難しいように感じます。
私は、Bontaで靴をつくることで、学生時代の自分と対峙することが出来ました。
大阪に向かう車中では、昔のノートを見返していました。
当時の自分は何に興味があったのか。何をしたかったのか。何を好きだったのか。
そして、いま、何が出来ているか、好きなままでいられているのか。
そんなことを考えながらの仮縫い後の、東京に向かう帰りの車中では、昔と同じ気持ちで、また鉛筆を握るのです。
東京に着く頃には、整理がついていて、アレしたい・コレしたいが、わらわら出てきます。
そうして、またノートが埋まれば、それをひとつの区切りとして良いでしょう。
Bonta 長谷川さん
ありがとう御座いました。
「Bespoke」
長谷川さんと話す以上に、自分と話すことが多かったと思います。
靴づくりを通して、思わぬ良い機会を頂けました。 この靴は、きっと私の服づくりの糧になるでしょう。
これからも、よろしくお願いします。
Bonta Blogによる私の注文靴の紹介も、合わせてどうぞ。 型紙などが見られます。
今回の注文靴のスペック紹介。
Mod. 2Piece U-TIP
For. Round Toe
Tom. ANNONAY
Fod. DU PUY
Met. Full Hand
Fit. Both Feet
オマケに、注文秘話。?
私が最初に依頼したデザインは2点のみ。
・U-TIP
・茶色
そして、以下のようなコンセプトを設けました。
・100年先まで残るような靴
これは「100年履ける丈夫な靴」ではなく「100年後に見出された時、感動を与えることが出来る靴」と云う意です。 結果的に丈夫であることも必要ですが。
上記の注文で長谷川さんと話し合った結果、提案頂いたのが、今回の靴です。 一見シンプルですが、随所に「手」による仕事を取り入れました。
・ハギ目のない2ピース
・モカのライトアングル
・爪先のパラレル
などは、目に止まりやすいポイントでしょう。
また、踵からヒールのラインや、ベベルウエストのくびれ なども手仕事の賜物です。
写真を撮り忘れてしまいましたが、私の為に削りだして頂いた 両足の木型 も手によるものですね。
今後、Bontaでは、ミシンの増設を計画しているそうで、より深いモノづくりが出来る環境になるそうです。 楽しみですね。
これまでのBontaに関する投稿は以下からどうぞ。 主にリペアを紹介しています。
さて、最後にひとつ悲しいお知らせが。
今夏納品予定の羽田空港にある「靴のハシモト」のオーダー靴。 今か々かと、納品を楽しみにしているのですが、何と来年3月末で閉店するそうです。
現在、新規オーダーはストップしており、もうオーダーすることは出来ません・・・
三交製靴の閉店に続き、またひとつ、日本製靴の歴史が幕を閉じます。 悲しいですね。
追記2015年某月
ハシモトさん、あと2年はやるそうです。!
納品された靴はコチラから。
まずは、ワンシーズン。
Bontaの靴をしっかりと履いてみます。 楽しみです。