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半分解展研究所を終えて

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目に映るもの。

形あるもの。

そうしたものを追い求めるのではなく、見えず、触れられず、しかし、心に響くものを追究したい。
と改めて思いました。


半分解展研究所では DEMI DECO LABO 受講生の作品を展示しました。
DEMI DECO LABO(デミデコラボ)とは、私の服づくり教室です。


ラボには、一貫した哲学があります。
それは「見えず、触れられず、しかし、心に響くものを伝えたい」という想いです。

服をつくる教室ですが、技術を教える場にはしませんでした。

感動 や 情熱 や 探究心。
それらを具現化する為に、初めて技術を用いるのです。


始まりから終わりまで。
私は、その哲学を具体的に実行し続けました。


例えばラボの受講生公募では2つのことを実行しました。


・具体的なことを書かない
・抽象的なことを書かせる


私は、ラボのHPに具体的なことを一切書きませんでした。
つまり「カリキュラム」を廃したのです。
カリキュラムの代わりに書いたのは、下記の通り抽象的な言葉だけです。


デミ デコ ラボ で提供できるのは

「心揺さぶる感動」「底なしの探求心」「変態的情熱」

この 3つです


HPをこのような表現にしたのは、壁をつくるためです。
この壁を跨げるのは、半・分解展に実際に足を運んだ人だけなのです。
半・分解展という圧倒的具体表現があるからこそ、長い時間を共にする人たちに説明は必要ないと考えました。


そして、応募者に課したのは「抽象化」です。
応募する際に「なぜ受講したいのか?」「なぜつくりたいのか?」を必ず書いてもらうようにしました。

服づくり教室なので、服をつくるのは決まっています。
どんな服をつくるかよりも、なぜ服をつくるのか?
私には、その方が何倍も重要で「なぜ」が無ければ、技術を学ぶ意味が無いとすら考えます。



そして、アウトプットの場として設けた半分解展研究所。

展示した受講生の作品脇には、私からの修了証を添えました。
その修了証にも 見えず、触れられず、しかし、心に響くものを伝えたい という想いを込めました。

修了証とは名ばかりで、それは一方的に私が語りかける文章です。
長谷川×受講生 もしくは 長谷川×受講生個人 にしか真意を読み取れない言葉です。
来場者の多くには 見えず、触れられません。
極限られた一部の人にのみ伝われば良いのです。


技術で繋がる関係性よりも、感情で繋がる関係に。
感情で繋がるために、技術で会話をしたいです。
それが技術職ではないでしょうか。

私はそうありたいと思っています。
やっぱり、どうしてか、私は形あるものに惹かれません。
目に見えないものを大切にしたいのです。


半分解展研究所へ足を運んでくださり、ありがとうございました。

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