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技術にゴールはない

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私は自分のつくる服について、多くを語りたくはありません。
例えば、一輪の花で自らの服を表すことができれば、それが私の理想です。

語りたくない理由は、自分がつくる服とは「究極の具体化」だからです。
" 半・分解展からの一滴 " そのような服を目指しています。
それを語ることは、私にとって野暮なことです。

ただ私は、半・分解展については積極的に語ろうとします。
その理由は半・分解展とは「抽象概念」だからです。
表現するのは " 100年前の感動を100年後に伝える " ことです。


具体化に自分の言葉は要りません。
抽象化には自分の言葉が必要です。


古き衣服を「技術」と捉えたならば、そこに自分の言葉は必要ないでしょう。
古き衣服を「感動」と言った瞬間に、それは自分の言葉でしか説明できません。

残念ながら抽象なき具体化は誰にでも出来てしまうのです。

だから私は技術を捨てる覚悟をしました。
新たな環境へ挑戦する為に、それは避けては通れない道でした。
技術を技術で表現しているうちは、何も伝えられないことに気付いたのです。

そして、心の底から伝えたいと思ったとき、もどかしく苦しいとき、唯一救くってくれるのが「技術」だということも。



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