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45人でつくるズボン

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本日の更新は6月19日に行った尾作隼人氏による「ビスポークパンツの実演講座 Vol1」のレポートになります。

当日の会場は40名定員のところ、参加者45名。そして、キャンセル待ちが15名という大好評のセミナーとなりました。たくさんの人に興味を持って頂けたようで、企画した甲斐がありました。!
ご参加頂いた皆様、ありがとう御座いました。


ビスポークセミナーは、第1回目から、てんこ盛りの内容となりました。

まず、パンツをモデルに履かせ、立体視するところからスタートしました。
いわゆる仮縫いです。

通常、他者に見せることの無い工程ですが、この仮縫いで顧客とイメージの共有を図ります。
それと同時にサイズ感・着心地の確認はもちろん、シルエットの微調整などを行います。


正にこの仮縫いが、尾作さんの美しいとするシルエットや、理想とするラインが表れるところでしたので、多くの質問が飛び交いました。

「このくらいのテーパードでどうか?」 「ヒップ周りはもっと摘んでも良いんじゃないか?」 「歩いてみて下さい」 「座ってみて下さい」などなど、セミナー参加者全員で意見を言い合います後列の人は立ち上がり、見入っています。 

私は、この瞬間が大好きです。とてもホルスらしい。
私達は技術者です。 技を言い合い出し合って、新たな集合知を生むことが出来ます。
この機会に尾作さんに質問をぶつけない手はありません。


そうして、着々と進む仮縫い。 修正箇所をメモする尾作さん。
この日着用されていたシャツはMINAMI SHIRTSのビスポーク。背中のギャザーが美しく機能的でした。


この仮縫い時に、非常に尾作さんらしいな。と、感じた事がありました。

参加者の方から「もっとテーパーをキツくして、スッキリ見せた方が良いのでは?」と意見が出た時です。
実は、私も同じことを思っており、いつもの尾作さんのスタイルより、控えめなテーパーだと思っていました。

それに対する、尾作さんの返答がフレンチスタイルのジャケットに合わせてコーディネートすると聴いていたので、全体のバランスを見てこのラインにしました」と。

パンツ単体を見るのではなく、顧客のスタイルや嗜好を理解したうえで、敢えていつもの自分のスタイルより、若干広めに設計していたのです。

これを聞いて、私はドキッとしてしまいました。 尾作さんのビスポークの虜になってしまう人達は、こんなところに惹かれるんだろうな。と、勝手に妄想してしまいました。


1時間半ほど、パンツを立体視し、続けて平面視していきます。
ついさっきまで見ていたパンツの型紙が、そこにあるわけですから、こんなに有難いことはありません。
立体と平面の両方から尾作さんの美意識を学びます。

再度、多くの質問が飛び交いました。


尾作さんが、これまでの経験から導き出した製図法から、世界各国のパンツを研究し辿りついたテクニックまで、余すことなく見せて頂きました。
もちろん現在進行形で、日々進化しているそうです。

バームクーへン型の設計や、分量のグラデーションによる成型などなど。興味深いワードが飛び交いました。 一度聞くと忘れないフレーズですね。


会の途中には、セミプロ枠?として参加して頂いたシロさんに急遽、登壇頂き、当日履かれていたM039についての解説を尾作さんにしてもらいました。
M039は、云わずと知れた尾作さんの既製ラインです。エムゼロサンキューと読みます。

当日の参加者は、パタンナーが半数以上を占めていましたので、尾作さんがどの様に既製服にアプローチしているのか?注目を集めました。
地の目ひとつ取っても、違いが有り、何処までも興味深いセミナーとなりました。


さて、第1回目からボリューム満点でお届けした尾作さんのビスポークセミナー。
私達は、まだまだ満足していません。
後日、尾作さんと連絡を取り合い、次回はもっとこうしよう、ああしようと、反省会をしました。これから、もっと質の高いセミナーを提供できると思います。!期待していて下さい。こっちはヤル気MAXです。

そして、第2回目は「クセとり」がメインテーマとなります。クセとりを中心に、よりデティールに迫った内容となりますので、皆様お見逃しの無いようにお願いします。
今週中に一般募集をかけると思いますので、お楽しみに。一般席、残り少ないです・・・


・・・当日、ひときは尾作さんに質問をぶつけていた不審な人物。参加された皆さんは記憶に残っているでしょう。
そんな彼は、最近インスタを始めたそうなので、覗いて見ては如何でしょう。
私は、彼のつくる服が大好きです。 ただ、ちょっと顔が気持ち悪いのが難点ですね。

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