立て続けの更新です。
French Hunting Jacket特集もラストスパート。!
NO.10まで紹介します。
NO.8
フロントが曲線を描いています。
地の目に注目して下さい。
パターン用語で「着込み分」などとも云います。
この大きく倒れこんだフロントもしっかりとした"意味"や"美意識"があります。
その意味ってもの後々、紹介出来ればと思います。
この色褪せはもはやアートではないでしょうか?
このツギハギ。
ため息が出ます。
こんなに大切にされて、洋服も満足でしょう。
刺し子のような温もりを感じます。
写真を良くご覧下さい。
ジグザグに走るステッチが確認出来るでしょうか?
古い燕尾服やモーニングには必ずといっていい程このステッチが入ります。
分解してみるとこのステッチの意味がよくわかります。
意味が分かると当時の歴史がわかってきます。
分解済みのモーニングがあるので後ほどソレを参考にこのステッチを紹介します。
NO.9
こちらはテーラードタイプです。
古い服はゴージラインが低いですね。
あご癖ダーツが取られているのが確認出来ます。
NO.8と同様にこちらにもジグザクスッテチが入ります。
コレをハンティングジャケットとして紹介するのはチョット無理があったでしょうか?
でも生地がまさしく「ソレ」なんです・・・
NO.10
優しいサーモンピンクがなんとも云えない表情をしています。
このジャケットに関しては動物ボタンではありませんね。
何故、羽衿は手まつりされているのでしょうか?リペアしたのかな
地衿には左右非対称のハギが入ります。
用尺が足らなかったのでしょうか?
袖下のタックも確認出来ます。
裏地はしっかり色が残っています。
表地の日焼けのグラデーションは元はこのピンク色だったんでしょうね。
また、背中心には生地の耳が通っています。
効率的な型入れをしています。
汚いですねエ。
縫い代の始末がされていません。断ち切りです。
それとも、以前の持ち主が縫い直したのでしょうか?
肩線とアームホールの縫い方が他所に比べ、下手過ぎます。
真相は誰にもわかりません・・・
ワークウェアと云うとアメリカが真っ先に思い浮かびますが、ヨーロッパモノのワークウェアには随所にテーラーの技術が見受けられます。
"品"があります。
無骨なアメリカモノもカッコイイですが、私はヨーロッパの"ソンナトコロ"に魅かれます。
だって、ハットを被ってシャツをタイドアップしてハンティングジャケットを羽織るなんて、そんなのオシャレ過ぎるでしょう。
私も双眼鏡をぶら下げようかしら・・・