確か、1年前くらいに書いて下書きのままにしていた投稿です。
せっかくなので、UPします。(画像が汚いです・・・)
下書きのままの投稿がまだいくつかあるので、今後同じように不意にUPするかもしれません。
全体写真を撮る前に、早まって分解してしまいました。なので、写真では既に裏地が取れています。あらら
日焼けや虫食いもありますが、肩の立体感などは健在です。?そうでもないか・・・
このブレザー、私の父が40年前にLONDONのBURBERRY本店で、当時価格30万程で購入したものです。「昔、バーバリーのネクタイを棚買いしたことあるんだぜ。ハハハハhhh」と、父親談です。
以前、SaksのMorning Coatで芯の紹介をしました。
今回はこのBurberryの芯を紹介しようと思います。
大体、前回のSaksから30、40年後のいわゆる「高級プレタポルテ」です。ww2を経て、芯使いも大きく変化しています。
1970年代のこのブレザーを見ると、現代のプレタの芯使いとほぼ変わらない事に気が付きます。
1970年代のこのブレザーを見ると、現代のプレタの芯使いとほぼ変わらない事に気が付きます。
まず、台芯ですが「毛芯」です。
今でも売ってるものに近い雰囲気です。
もちろんハンドのハ刺しなんてありません。マシンのハ刺しになります。
全体的な仕立ても合理的で、所々に接着芯を使用しています。
例えば、上記写真の返り線のテープ使い。
このブレザーのテープは、綾織のスレキを地の目通しで使われています。が、注目すべきは、その下の白いテープ。
このテープ、一見するとバストドレープを押える為のテープ使いに見えますが、実際は見返しの裏側と毛芯を接着し、簡易的に「中とじ」をする為の接着テープでした。
分解してて、気づいたのですが感心しました。量産の技ですね。
また、ポイントになる部分「肩周り・袖付け」は割合シッカリとつくられた印象を受けます。
まずはゴージ・衿付近からドウゾ。
↓
例えば、上記写真の返り線のテープ使い。
このブレザーのテープは、綾織のスレキを地の目通しで使われています。が、注目すべきは、その下の白いテープ。
このテープ、一見するとバストドレープを押える為のテープ使いに見えますが、実際は見返しの裏側と毛芯を接着し、簡易的に「中とじ」をする為の接着テープでした。
分解してて、気づいたのですが感心しました。量産の技ですね。
また、ポイントになる部分「肩周り・袖付け」は割合シッカリとつくられた印象を受けます。
まずはゴージ・衿付近からドウゾ。
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マシンでの八刺しは、ゆるくゆるく。空気を入れるように縫われています。現代のスーツと同じ手法です。
地衿はカラークロス、衿芯は麻でした。共にバイアス使いで殺されています。表衿には月が入ります。
ピーク付近の毛芯をめくると、厚めの完全接着芯がバッチっと貼られていました。
それでは、順を追って毛芯を紹介します。
地衿はカラークロス、衿芯は麻でした。共にバイアス使いで殺されています。表衿には月が入ります。
ピーク付近の毛芯をめくると、厚めの完全接着芯がバッチっと貼られていました。
それでは、順を追って毛芯を紹介します。
まずは、台芯。
この毛芯、会社でお取引している芯地屋さんの台帳で見たことある様なない様な。それくらい、今と変わりありません。
前肩処理は、共布を当てての切り開きです。
続いて、白バス。
定番の白バスです。横文字の長い正式名称を忘れてしまいましたが、ソレです。
前肩処理は、ネックからの切り込みです。ネックで1センチ程切り開いてます。地の目は完ぺきに真横でとられ、肩の立体感をグッと支えています。
そして、バス芯。
ざっくりと織られた厚みと柔らかさのある芯です。
表地の柔らかいフランネルと良い相性の芯使いだと思います。
こちらの前肩も台芯同様に肩先からの切り開き。垣田さんとおなじ「カギ型」の切り込みでした。
表地の柔らかいフランネルと良い相性の芯使いだと思います。
こちらの前肩も台芯同様に肩先からの切り開き。垣田さんとおなじ「カギ型」の切り込みでした。
そして、最後に胸増し芯のフェルトです。
毛芯の構成を見る限り、ホント現代の量産のスーツと変わらない作り方です。
そして、AH周りです。 ごちゃごちゃしてます。
↓
なんだか、複雑な写真ですが・・・
山は「本割」の仕様になっています。当て割布は綿スレキでした。当て割布を用いることで身頃と袖の厚みを均等化し、自然なショルダーラインを表現出来ます。
AHにはコハクテープが止めつけられ、前肩処理の部分のみテープ抜きでした。これまた教科書通りのテープ使いです。
特徴的な肩パットです。
ブ厚い。! 時代を感じます。1970年・・・
ゆき綿(タレ綿)と肩パットを並べて見ました。画面、左が前身・右が後身です。
ゆき綿の使い方がオモシロイですね。
山の部分で毛芯が分断され、ブ厚いフェルトのみになっています。
そして、袖のドレープを作る左右には毛芯を、地の目変えの2重使いになっています。
パターンも今のパターンそのものでした。真っ直ぐ通る前中心に、大きなAH等々・・・
感想!
まあ、普通のつくりでした。素晴らしい普通。
私の好きな1840年~1910年頃の芯使いや、1930年代のSaksと比べて頂いて、嗚呼~こんなに違うんだあ。へえ~なんて思って頂ければOKです。 ?
オマケ
パターンも今のパターンそのものでした。真っ直ぐ通る前中心に、大きなAH等々・・・
感想!
まあ、普通のつくりでした。素晴らしい普通。
私の好きな1840年~1910年頃の芯使いや、1930年代のSaksと比べて頂いて、嗚呼~こんなに違うんだあ。へえ~なんて思って頂ければOKです。 ?
オマケ
Jil Sanderの2012年春夏、定価15万くらいのジャケット(スーツではない。多分)の芯地もチラッと。
ちょうど、センパイが袖丈をつめていたので写真を撮らせてもらいました。
ちょうど、センパイが袖丈をつめていたので写真を撮らせてもらいました。
画面むかって左が袖山、右が袖底、上が後身頃で下が前身頃です。
出来芯で各所接着芯使い。前肩は全てAH側からの切り込みのみ。白バスはバイアスです。
前身頃は全面に完全接着がベタアアアアアアっと貼ってあります。もちろん見返しも。ハイ。 着心地は・・・ハイ。
ゆき綿は画面左側が前見頃です。ハイ。
なかなか、RRR129では取り扱わない年代の取り扱わないポジションの洋服ですが、参考までに壊してみました。
銀座山形屋のダブルブレストは、まだ分解していませんが、風格のあるシルエットで気に入っています。何時ぶっ壊そうか・・・