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快楽について


 

10年来の付き合いになる尊敬するディーラーさんに、こんなことを言われた。


「きみは、ひとりでマスターベーションをしていた時よりも、ひと前でマスターベーションをするようになってから、とても気持ちよさそうにしているし幸せそうだ」


字面だけみると、少々こわい内容に聴こえる。
しかし、学生時代から社会人そして独立するまでの私の生き方をみてきた人だからこそ言える内容だと思う。


健全な?文面に直すと下記のようになる。

「きみは、ひとりで洋服の研究に没頭していた時よりも、独立して半・分解展を始め、全国を巡回展示するようになって、とても気持ちよさそうだし幸せそうだ」

おおよそこんな感じだろう。


私は、マスターベーションと聞いて「快楽」を連想した。

人間の快楽には大きく2つの種類があるそうだ。

それは「長期的快楽」と「短期的快楽」
ひとの成長、とくに心の成長に必要なのは長期的快楽だと言われている。

長期的快楽とは一定期間の我慢の末に味わえる快楽のことだ。

例えば、受験勉強やダイエットなどが当てはまる。


逆に、短期的快楽とは即物的な快楽だ。
勉強を止めてSNSをみる、ダイエット中にお菓子を食べる。など。

現代において長期的快楽を味わうことは難しくなっている。
というよりは、短期的快楽が溢れかえっていると言うべきか?

小説の一冊も読まずに、Youtubeの要約動画だけで終わるのは勿体ない。


長期的快楽のすえに味わった達成感は、必ず自信に繋がる。
やり遂げた。という経験が、どれだけその後の挑戦を後押ししてくれるか。
2016年に独立しおこなった半・分解展は、10代の私から託された快楽=好きの根源だった。


長期的に物事を続けるのであれば「好き」であることは何よりも大切だ。
好きでなければ続かない。
好きだから、ひとりでもできた。
あまりに好きすぎて、好きなものを分解などしてしまうと、いよいよ変な目でみられるかもしれない。
その目を恐れずに、パブリックな場で好きを表現できたら、人生は変化すると思う。