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結局はレイヤーの違いなだけだ

私にとって服をつくることは、圧倒的な具体化表現
輪郭がハッキリとしているから、誰が見ても服に見える

ただ、感動には見えない

服としてではなく、感動として見せたいと願ってしまったから、手を止める必要があった

「技術をすてる」とは、そういうことだ


感動を表現したいとなると、輪郭はボヤける
感動というものは抽象的だし、私が伝えたい感動は100年前の感動だ
そうなると、もう誰にも理解されない

だから、定義する必要がある
手を止めて、感動とはなにかを自分自身に問い続ける

私の感動とはなにか、問い続ける


なにかが見えてくるかもしれないし、なにも見えないかもしれない

これが技術との最大の違いだ
技術や知識は、なにかが見えてくる
服が見えてくる、歴史が見えてくる

だから、技術職にとって、手を止めることは苦痛なんだと思う

私には苦痛だったよ


だけど、なにかが見えたのであれば、それを形にする力を持っているのもまた技術職だ

感動という不確かな曖昧なものを、表現できる
自分らしい方法で表現ができる
答えはない
レールもない

踏み出すなら、20代のうちだと思う
お前だよ
行けよ