半・分解展に来場頂いた皆さま、誠にありがとう御座いました。
延べ1400人以上の方々に足を運んで頂きました。
この個展に向けて動き始めたのが 2016年7月31日。 約4ヶ月をノンストップで駆け抜けました。(この間に会社も退職)
特に、最後の展示となった東京展は 5日間 という短い期間でしたが、多くの出会いに恵まれました。
たったの 5日間 だったかもしれませんが、私にとっては 7年と5日間 でした。
20歳の頃、初めて分解した100年前のフランスの消防服。
ただの作業着であるはずの消防服を解いてみると、驚くほど丁寧に手で縫われていました。
当時の私に、それはあまりにも衝撃的で、思わず涙を流しました。
そこから、私のモノづくりはスタートしたのかもしれません。
「100年前の "感動" を100年後に伝えたい」
この想いは、このBlogのコンセプトでもあり、この為に私は生きていきたいと思います。
もし、100年後の未来に、好奇心旺盛な若者が、私のつくった洋服を分解し、同じように涙を流してくれたなら・・・私はそれを「幸せ」といいましょう。
"感動"を伝える為に、このBlogを10年間、書き続けてきました。
来場して頂いた方の中には、数年前から私のBlogを見ていた という方も少なくはありませんでした。
正に、このBlogの世界観を、そのままリアル(現実)に持ってきた形になりました。
「スーツ生誕350周年」
と云われても、あまりピンとこないかもしれません。
ちょうど350年前の1666年10月7日にイギリスでスーツが誕生しました。
2016年は、紳士服史のひとつの節目だったのです。
この個展を催すことで、私に服づくりの素晴らしさや感動を与えてくれた、愛する洋服たちに、少しだけでも恩返しが出来たと思っています。
今個展は ひとりひとりの "感じ方" に着目しました。
分解者の感じ方、来場者の感じ方。
貴方には この洋服たちが、一体どの様に映ったのでしょうか。
敢えて展示品の細かな説明は省き、ありのままを味わって頂けるようにしました。
ただ、一部のマニアックな方には、クンニョの説明や、現代とは真逆の裏地に据える芯据えの方法や、背巾ゆとりゼロの運動量の設計、極端に逃げるNPの位置などを説明させて頂きました。
私は、今後も、この個展活動を通して洋服の秘めた「感動」を少しでも多くの方に伝えたいと思います。 きっと、スーツ生誕400年も私が盛り上げます。
2017年には「半・分解展をより技術者目線で見たセミナー」や「独立し活躍している若手のデザイナーやパタンナーを集めてのトークセッション」など・・・
様々なセミナーを催したいと企んでいます。
セミナー情報は、私のSNSをフォローして頂くと情報が早いです。
まずは、何より妻と息子に感謝です。
長谷川 彰良