東レACS様の会議室をお借りして、京都女子大学の学生さん達に「メンズウェアのポケット遍歴」をプレゼンしました。
昨年も「動き易いAH・袖の設計」について京都女子大学でプレゼンしたことがありました。その彼女達のテーマは「ウィメンズのリクルートスーツの付加価値としての機能性」という明確なものでした。
そして、今回の生徒さん達が持ってきてくれたテーマ。
それは 「ポケット」 でした。
彼女たちは卒論の製作にあたり、ポケットの部分縫い要りの作品ブックをつくりたいそうで、目下ポケットに関する資料集めの途中。といった様子でした。
話しを聞けば、縫製工場の方から玉ブチポケットの作り方の手解きを受けたりと、基本的な構造については教わっており、更なるポケットの深みを知る為に、巡り々って、私に声が掛かりました。
「ポケットについて講義をしてくれ」と頼まれたときは、どうしたものか・・・と、戸惑いましたが、せっかく私にお声掛け頂いたのであれば、ドップリとメンズウェアの興味深いポケットについてプレゼンしようと思いました。
私の特徴として、実物の古着を各国・各年代と、幅広く集めていますので、プレゼン前に予め、東レACS様宛にVintageの入った段ボール箱を送っておきました。
古着達と共に、使えるかも・・・?と、忍ばせておいたのが、学生時代につくったスクラップブックです。 先ほどから載せている写真がソレです。
完全に自分が見る為専用にスクラップしていたので、そうれはもう、うんちみたい何ですが、久しぶりにまじまじと目を通すと、「ハッ」とさせられる様な事が書いてありました。
例えば、
「このスソの"はけ"は前身の寝かしが多いからだと思う。着込みが多いのは現代人には合わない。でも、オレはこの胸のボリュームが好きだ」
「アメリカのハンティングは生きる為に、ヨーロッパのハンティングは遊びの為に。この差が本当に洋服に表れる。アメリカは実用的でタフなものを、ヨーロッパはカッコつける為に・・・じゃあ、オレのハンティングは??」
etc....
片足を黒歴史に突っ込んでいますが、これを書いていた20歳の自分を冷笑と共に讃えたいと思います。
と、こんな具合に、基本の「バーバリーのスロテッドポケット」辺りから始めて、アメリカとフランスのゲームポケットの違い、マップポケットの種類に、マリファナポケット、様々なマチ付きポケットに、マチ裏の水抜き。プレイトポケットにジッポポケット。等々、デザインに捕らわれず、バックボーンに趣を置いて解説させて頂きました。
もちろん出来うる限りの実物を用意して、温故知新のモノづくりを伝える努力も怠りません。
悲しいかな。100年前の洋服の方が丁寧につくっているんですよね。
下記画像は、久田さんのブラッシングレクチャーを体験する学生さん。若さは正義です。
毎度の事ながら、東レACSの久保さん、京都女子大学の渡邊さん、貴重な場を設けて頂き、ありがとう御座います。パンツも引き続き宜しくお願いします。 !
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