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the Cutter & tailor Piped Pkt

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今回、作成したジャケットの玉ブチの工程をサラッと紹介します。

ちなみに、腰には「両玉ブチのスロテッドポケット」をつくりました。
スロテッドポケットが好きなんです私。



はい、
機械化が進む現代では、全自動で玉ブチポケットが作れてしまいます。ウィーンガチャガチャ、と。
私は、機械の玉ブチに色気と云うか、味を感じないので、あまり好きではありません。

やはり、手で巻いた玉ブチが好きです。


そして、今回の玉ブチはこんな古着達を参考にしました。



ウチでは定番の御三方です。みんなWW2前後ですかね。





どの玉ブチもカワイイです。良い味してます。


そんな中から、チョイスしたのは真ん中のコイツです。
玉ブチのプックリ具合や、ステッチの沈み具合、へろへろ感がツボです。



















では、玉ブチ布から。共地をヨコ地の目で使います。芯代わりに正バイアスのスレキを噛まします。


湾曲したポケットになるので、玉ブチ布もアイロンで少し曲げておきます。
まあ、この程度にカーブなら縫う際の手加減でいくらでも調節出来るので、わざわざ曲げる必要はないんですが、曲げました・・・

そして、ぐるっと囲むように縫ってしまいます。この時、角の縫い方がポイントになります。


ひと針分くらい(写真ではふた針)三角の角を落とすのがミソだと思います。


そして、一直線。バッツっと切ります。Y字の切り込みは必要ありません。
切り込みの外をぐるっとステッチが入っているので、端がぼろけてきたりしません。


ちなみに、この切り込みを入れる工程で端まで切り込まずに、三角の底辺で止めて返せば南京玉ブチになります。
南京玉ブチ




ナイスなタイミングで、友人のテーラーK君が脇刺しと南京をつくっていたので、紹介します。(裏地にブランド名がある為、モザイクかけました)
ホールはハンドだそうです。キレイに涙型してます。


私のは、しっかり端まで切り込みを入れて、ベロリンチョと返します。


口布を返したら真面目にテキトーに玉ブチを形成し、ステッチを打てば・・・
先細りで小丸の玉ブチ布の完成です。


これが、マシーンだとキッカリとキレイな直線真四角玉ブチになります。
些細なデティール(重要)なんですが、こんなことの積み重ねで洋服に奥行きが増す気がします。


仕上げに、フラップを叩いて、
完成はこんな感じです。(ワンウォッシュ済み)



フラップに隠れて玉ブチは全く見えないです。ハハh

参考にした古着と比べ、プックリ感は劣りますが、ヘロヘロ感はよく出せたと思います。良いのか悪いのかスゴクきわどい所ですが・・・笑
玉ブチの端はハンドグリカンにするか迷いましたが、なんちゃってカンヌキにしました。


玉ブチは色んな作り方を縫ってきました。縫い代を身頃高にするか、割るか、玉ブチ高にするかでも相当、表情が変わってきます。

一時期は、「毛糸入りの玉ブチ」ばかりつくっていました。
垣田さんから教わった玉ブチなんですが、玉ブチの中に毛糸を入れるんです。
これが、結構乙なもので、ふんわりした表情が出せるのです。垣田さんが創る柔らかいFrench Tailoredに良く似合うポケットでした。


次回はひとまず、The c&tでパパっとばしてしまった芯据え・ゆき綿、袖裏付けなど紹介します。






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