「本物」とはなんだろうか。
自分なりに本物を定義したいと思い、私が分解研究している100年前、200年前の衣服をみながら考えてみた。
私は、本物とは「象徴」Symbolであると考えた。
現存する物の元を辿る先にあるもの。
原点となるものが本物であると。
原点以降に影響を及ぼしているものが本物だと。
さらに、そこに「時間」という軸を足すとより半・分解展の定義する本物になると考えた。
時を越えて象徴になっているものだ。
歴史上に存在するシンボルを本物とする。
そして、時を越えた象徴を具現化するのが自分の役割だ。
例えばフランス革命ごろのスーツをみても、それが「スーツ」だろうとは誰も思わないだろう。
スーツの象徴となった物を、スーツであると伝えること、表現することが私のできることではないだろうか。
生物はすべてがオリジナルだという。
生物には本物かどうかなんてないのだろう。
神がつくった生物と、人の手がつくった物質。
神に近づこうと物質を生みだし続け、本物と偽物という物が生まれたのではないかとも考えてみた。