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昨年12月は、刺激的なことが多々あり、あっと云う間に過ぎてしまいBlogを更新出来ませんでした。 記憶に留めるだけでは勿体無いので、振り返りつつキーボードを打ってみます。


まずは、12月の頭に行われた同年代のテーラー忘年会について。


「テーラー忘年会」と、云っても、そもそも私はカジュアルブランドのメンズパタンナーです。

つい先日も、デニムの加工試験の為に1日中「ラッパ」でジーンズを縫っていました。 その数37本。2日経ったいまも爪は青いです。

極端に云うと、私は 「スーツが縫えて初めてデニムが縫える」 と、思い服づくりをしています。 その逆も然り。
とにかく20代は、色々と経験してみて、残ったモノで勝負したいのです。

私の周りの友人も、似たような考えを持つ人が多いように感じます。

銀座の某テーラー(上代30万)に勤めつつ、昨年上場した某セレクトショップのオリジナル製品(上代1万)を手掛ける人。(振り幅スゴイ)
銀座の有名テーラーから、有名ブランドを多く手掛ける気鋭のニット・カット工場の営業!に転職した人。(振り切り方スゴイ)
フランス在住の日本人テーラーK・Sさんの同期で、日本に帰国してからは外資系某ブランドのメンズを手掛けつつ、今期のStudio Kakitaで同クラスになった人。(この人は筋肉がスゴイ)

もちろん、テーラー業に専心する方もいます。 そして、私みたいなテーラーかじりも。

そんな同年代の仲間たちとシングルモルトを片手に忘年会を催しました。 幹事は私。!


集まってくれた仲間は9人で、平均年齢は28、29歳でしょうか。
これから正に、独り動き出すのか、企業に腰を据えるのか、自身を模索中か、そんな年代です。
本当は、大阪にいる仲間も2人誘ったのですが、予定が合わず。至極残念。


私の仲間たち、みんなスゴイと思います。
メンズEXやメンズプレシャスなどを開けば、必ず載っているテーラーさんの下に就き、日々鍛錬しています。

特に仲の良いS君は、イギリス在住の素晴らしい方の丸縫いを任せられ、今年は飛躍の年になるのではないでしょうか。?
今のうちにS君にスーツをオーダーしておこうかと思います。 彼は、いつまで日本にいるか解らないですから。


また、イギリスから帰ってきた方も居ます。

この会で初めましてだった 森田 智さん です。 
彼女は、イギリスのKilgourStowers Bispokeにて修行後、2014年に帰国し、現在は渋谷にてSHEETSを主宰し活動しています。 私より、ひとつ下の25歳。!

忘年会では紅一点。 まわりはみんなバカ男でしたが、終始、冷静で真面目な方でした。
終盤に行われた プレゼント交換 ではなんの因果か、私の手作りバック(ハセガワと刺繍が入ったふざけたモノ)が見事に当たり、それはもう大変に冷静な方でした・・・ すいません。

若手女性テーラーのイギリス仕込みのビスポークスーツ。 皆さん如何でしょう。?


そして、女性テーラーと云えば、年末にフランス在住の2歳下の後輩が、なんとビックリ。
私の最も好きなテーラーに見習いとして入りました。

フランスの三大テーラーのひとつ、チフォネリです。!


彼女は、もともとオートクチュールの人間で、繊細な刺繍などを得意としており、パリコレブランドに勤務していました。
憧れのオートクチュールのアトリエがあるらしく、その転職途中に巡り々って、チフォネリに席を置くことになったそうです。 

彼女の言葉を借りれば、社長は「すんごいぉばぁぁちゃん!!」だそうで、経歴30年以上のベテラン職人が多く、その大半の方が立ったまま作業している。とのことでした。

何より、彼女はチフォネリの事を何も知らず 「長谷川さん、私こんなトコで働くことになったよー!」と、アトリエの写真が添付されメールが来ました。それが深夜1時。
眠気も吹っ飛び、興奮気味に「チフォネリやん!!!?」と返信。
チフォネリがエルメスのスーツを手掛けている事や、伊勢丹では107万から売られている事などを説明しました。笑


彼女から送られてくるアトリエ内の写真に興奮していたところに、追加で送られきた1枚の写真。
「こんな事やらされた!」と。

その写真を見て、嗚呼、懐かしい。 と、ホッコリしてしまいました。
みんな通る道なんですね。
※追記・彼女は無事に正社員となりました。!

とにかく見て、判断を超えて心にひびくものを選んで買うのです。
その結果が学ぶことになるのです。
計る知識の物差を持たずに、じかに直接ものに打たれて、負けたと思うものを持ちたいのです。

濱田 庄司


私たちの代、ひと旗あげましょう。 !

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